山陰亭

原文|解説|口語訳

『菅家文草』03:206

寒早、十首                 寒は早し、十首
〈同用「人」「身」「貧」「頻」四字〉(7)  〈同《とも》に「人」「身」「貧」「頻」の四字を用ふ〉(7)

何人寒気早  何《いづ》れの人にか 寒気早き
寒早賃船人  寒は早し 賃船《ぢんせん》の人
不計農商業  農商の業《わざ》を計らず
長為〓直身  長く〓直《しうちよく》せらるる身
立錐無地勢  錐《きり》を立てんとすれども 地勢《ちせい 》無《な》く
行棹在天貧  棹《そを》を行《おこ》なへども 天貧《てんひん》に在《あ》り
不屑風波険  風波の険《けは》しきは屑《せつ》ならず
唯要受雇頻  唯《ただ》要《もと》むるのみ 雇《や》ひを受くること頻《しき》りならんと

▼ 末尾へ|▲ 先頭へ

口語訳

冬の寒さが早く訪れる、十首
〈皆「人」「身」「貧」「頻」の四字を(韻字として)用いる〉(7)

誰に 冬の寒さは早く訪れるのだろう
冬の寒さは早く訪れる 雇われて船を出す人に
農業や商売という仕事(に従事すること)を考えることなく
いつも(人に)雇われる身
錐《きり》の(先を)立てようとしても (それだけの)土地もなく
棹《さお》を使っても 生まれつき貧しいままである
風や波が激しいのは気にならない
ただ 頻繁に雇ってくれるようにと願うばかりである

▼ 末尾へ|▲ 先頭へ


トップ|このサイトについて|3分で読む菅原道真|みちざねっと・きっず|FAQ|
苦しい時の神頼み|普通の人のための読書案内|漢詩和歌快説講座|作品一覧|「研究文献目録」補遺

(C)1996-2026 Makiko TANIGUCHI. All rights reserved.
http://michiza.net/jcp/jcpkb206.shtml