山陰亭

原文|解説|口語訳

『菅家文草』03:207

寒早、十首                 寒は早し、十首
〈同用「人」「身」「貧」「頻」四字〉(8)  〈同《とも》に「人」「身」「貧」「頻」の四字を用ふ〉(8)

何人寒気早  何《いづ》れの人にか 寒気早き
寒早釣魚人  寒は早し 魚を釣る人
陸地無生産  陸地に 生産無《な》く
孤舟独老身  孤舟に 独り老ゆる身
〓絲常恐絶  絲《いと》を〓《たは》むれども 常に絶えんことを恐れ
投餌不支貧  餌《ゑ》を投《な》ぐれども 貧を支へず
売欲充租税  売りて租税《 そぜい》に充《あ》てんと欲すれば
風天用意頻  風天 意《こころ》を用ゐること頻《しき》りなり

▼ 末尾へ|▲ 先頭へ

口語訳

冬の寒さが早く訪れる、十首
〈皆「人」「身」「貧」「頻」の四字を(韻字として)用いる〉(8)

誰に 冬の寒さは早く訪れるのだろう
冬の寒さは早く訪れる 魚を釣る人に
陸地に 生業《なりわい》なく
一隻の舟に 独り年老いる身
釣り糸をたわめても いつも切れないかと恐れ
餌を投げて(魚を釣り上げて)も 貧しさの足しにはならない
(釣った魚を)売って税に充当しようとするので
風向きと天候に 気を遣うこと頻繁である

▼ 末尾へ|▲ 先頭へ


トップ|このサイトについて|3分で読む菅原道真|みちざねっと・きっず|FAQ|
苦しい時の神頼み|普通の人のための読書案内|漢詩和歌快説講座|作品一覧|「研究文献目録」補遺

(C)1996-2026 Makiko TANIGUCHI. All rights reserved.
http://michiza.net/jcp/jcpkb207.shtml