山陰亭

原文|解説|口語訳

『菅家文草』04:312

冬夜、九詠(5) 老松風  冬の夜、九詠(5) 老松《らうしよう》の風

聞暁風吹老大夫  暁風《げうふう》の老大夫《らうたいふ》を吹くを聞く
冷冷恰似砕珊瑚  冷々《れいれい》として 恰《あたか》も珊瑚《さんご 》を砕くに似たり
牀頭不得閑交睫  牀頭《さうとう》に 閑《しづ》かに睫《まつげ》を交《まじ》ふることを得ず
入髄寒声可厭無  髄に入る寒声 厭《いと》ふべきや無《いな》や

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口語訳

冬の夜、九首(5) 松の古木に吹く風

夜明けの風が 松の古木に吹きつける音を聴く
(その音は)寒々と(響き) まさに珊瑚を砕くようだ
寝床では (物思いで)心安らかにまぶたを閉じることができない
心の底に染み渡る冷え冷えとした響きは (眠りを妨げる音として)嫌うべきかどうか

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