山陰亭

原文|解説|口語訳

『菅家文草』06:451

対残菊、待寒月  残菊に対《むか》ひ、寒月《かんげつ》を待つ
〈于時閏十月十七日、  〈時に閏《うるう》十月十七日、
 陪第九皇子詩亭。〉   第九皇子が詩亭に陪《はべ》る。〉

月初破却菊纔残  月 初めて破却《はきやく》し 菊纔《わづか》に残る
漁夫樵夫抑意難  漁夫樵夫《ぎよふ せうふ》すら 意《こころ》を抑《おさ》へ難《がた》し
況復詩人非俗物  況復《いは》んや 詩人の俗物に非《あら》ざるをや
夜深年暮泣相看  夜深《ふ》け年暮れて 泣きて相看《あひみ 》る

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口語訳

時期遅れの菊を前に冬の月が上るのを待つ
〈閏《うるう》十月十七日に、
 第九皇子の詩亭に伺候《 しこう》した。〉

月は初めて欠け 菊はかろうじて咲き残る
(この光景は)漁師や木こりでさえ (悲しい)気持ちをこらえ切れない
まして (私達)詩人は俗人物ではない
夜もふけ 年も暮れ 泣きながら(月と菊を)眺める

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