山陰亭

原文|解説|口語訳

『菅家後集』506

晩望東山遠寺  晩《くれ》に東山の遠寺を望む

秋日閑因反照看  秋日 閑《しづ》かに反照《はんせう》に因《よ》りて看《み》る
華堂挿著白雲端  華堂《くわだう》 挿著《さしはさ》む 白雲の端《はし》
微微寄送鐘風響  微微《びび》として寄送《 きそう》す 鐘の風響《ふうきやう》
略略分張塔露盤  略略として分張《ぶんちやう》す 塔の露盤《 ろばん》
未得香花親供養  香花 親《みづ》から供養することを得《え》ず
偏将水月苦空観  偏《ひとへ》に水月を将《もつ》て苦《ねんご》ろに空観す
仏無来去無前後  仏《ほとけ》は来去《らいきょ》すること無《な》く 前後すること無し
唯願抜除我障難  唯《ただ》願ふ 我が障難《しやうなん》を抜除《ばつぢよ》せんと

▼ 末尾へ|▲ 先頭へ

口語訳

夕暮れに東の山にある寺を遠望する

秋の日は 静かに照り返されて(山寺が)見える
美しい建物は 白い雲の端に掛かっている
微《かす》かに送る 梵鐘《ぼんしょう》の響き
少し分かれ広がる 仏塔の九輪《 くりん》
香や花を手づから捧げることはできない
(そこで)ひたすら水に映る月によってあらゆる物は実体がないと一心に観想する
仏は行ったり来たりせず 先立ったり遅れることもない
ただ願う (御仏が)私の災いを抜き去るようにと

▼ 末尾へ|▲ 先頭へ


トップ|このサイトについて|3分で読む菅原道真|みちざねっと・きっず|FAQ|
苦しい時の神頼み|普通の人のための読書案内|漢詩和歌快説講座|作品一覧|「研究文献目録」補遺

(C)1996-2026 Makiko TANIGUCHI. All rights reserved.
http://michiza.net/jcp/jcpkb506.shtml